bighoshiikaのブログ

サラリーマンパパの悪戦苦闘ブログ

【ビジネス】なぜ転勤はなくならないのか?

「転勤は必要か?」

コロナ禍でリモートワークが普及するにつれて、以前からあったこの議論は過熱しているように感じる。

 

そもそも転勤(ここでは転居を伴う人事異動を指す)は世界で見ても、日本特有のもので、海外では社命での転勤は基本的に存在しない。

 

それでは日本では、社員1回の転勤につき平均100万円のコストがかかり、また退職理由の上位にランクインするこの悪習はなぜなくならないのだろうか?

 

それには3つの理由がある。

 

①終身雇用を維持するため

②組織活性のため

③不正防止のため

 

①終身雇用を維持するため

日本で転勤がなくならない最大の理由は、終身雇用制度を維持するためである。

ほかの2つがおまけになってしまうくらい、この理由は大きい。

 

たとえば、東京で人員が余剰で、仙台で人員が不足している場合、終身雇用制度がなければ、東京で人員削減をして、仙台で新規採用をかければ良い。

 

しかし日本では終身雇用制度の考えが根強く、「東京で人員削減」することが容易ではない。

 

その解決策として、転勤による人員の過不足バランスの調整が行われているのだ。

 

転勤はサラリーマンにとって嫌な・つらい制度である反面、実は雇用を守っている側面もあるのだ。

 

②組織活性のため

日本で転勤がなくならない2つ目の理由は、組織活性のためだ。

 

日本の大企業の約半数は東京に本社を構えている。

なので、採用(俗にいう総合職の採用)もほぼ東京で行われている。

 

そのため、現地採用されたメンバーはゼネラリストが少なく、総合職を転勤させることで、広い視野を持った人間・本部とのパイプを持った人間・チームを引っ張る人間を配置する必要があるのだ。

(これは偏見とかでなく、現地採用メンバーは地方での職務に限定した育成しかされていないため、こういった事象に陥りやすい)

 

実際、私も地方転勤を2度経験しているが、優秀で、仕事に対するモチベーションが高い現地採用のメンバーでも、その思考は会社全体の思考と驚くほどかけ離れていることが多い。

 

③不正防止のため

日本で転勤がなくならない最後の理由は、不正防止のためだ。

 

仕事において、同一部署の期間が長くなると、熟練度が増し、仕事のレベルが上がってくる。

その反面、仕事の手順を完璧に把握してくると、仕組みの抜け穴をついた、様々な不正をすることもできてしまう。

 

この不正を未然に防ぐために、転勤が使われているのだ。

 

特に大きな金銭を扱う金融業においては、この不正防止という観点から定期的な転勤を実施しているケースが多い。

 

そして、転勤決定後に不正を隠蔽されないため、転勤の辞令は直前にしか教えてもらえない。

(実際、私も東京から名古屋、名古屋から仙台への辞令を教えられたのは、どちらも前日。そして、1週間後には新天地に着任というデススケジュール・・・。)

 

以上、3点が日本で転勤がなくならない主な理由である。

と、ここまで転勤がなくならない理由を挙げてきたが、サラリーマンの目線だと、子どもができるまではともかく、子どもができてからは、本人の意向もくみ取ってもらえるとありがたいものです。